さて今回は保険給付の手続・種類・内容です。
まずこの範囲で学習する介護支援専門員基本テキストの目次は
要介護認定および要支援認定
要介護認定等の手続
介護認定審査会
保険給付通則
保険給付の種類
保険給付の内容
介護報酬
支給限度額
現物給付
審査・支払
利用者負担
保険給付の制限
となっています。
さて、要介護等認定に関する項目です。
ここは、申請から認定までについての流れを見ていきましょう。
【1.申請】
介護保険のサービスを利用するために絶対必要です。
申請には「新規認定申請」と「更新認定申請」があります。
(申請書の様式は同じです)
申請は本人が行いますが、一部代行できる者がおり、
主に
家族
親族
居宅介護支援事業者
介護保険施設
地域包括支援センター
社会保険労務士
あたりを押さえておけばよいでしょう。
そのうち、居宅介護支援事業者・介護保険施設は厚生労働省令に定める(簡単に言うと、以前申請に関して不正を行っていない事業所・施設)となっていますので、「すべての」居宅介護支援事業者・介護保険施設ではないことに注意してください。
【2.認定調査】
申請を行うと、認定調査員が居宅等に訪問し、認定調査を行います。
ここでは、認定調査に携わることができる者に関して述べます。
新規認定:
市町村職員と指定市町村事務受託法人
更新認定:
市町村職員と指定市町村事務受託法人及び居宅介護支援事業者・介護保険施設等の介護支援専門員に痛委託できる。
とあります。
すなわち、民間の介護支援専門員の立場から考えると、
「新規認定調査はできないが、更新認定調査はできる。
あとは市町村職員はどれでもできる。」
ぐらいつかんでおけば大丈夫です。
【3.一次判定】
認定調査の項目(82項目)から算出された
要介護認定等基準時間に基づいてでた結果です。
【4.二次判定】
一次判定の結果・特記事項・医師の意見書等をもとに、
市町村の合議体(介護認定審査会)で出た判定です。
最終的にこれが被保険者の要介護等認定結果となります。
*介護認定審査会
原則市町村単位でおかれる
定数は5名標準。
任期は2年(再任可)
続いて、介護保険の保険給付に関してです。
まず、保険給付の種類です。(カッコ内は要支援者に対するもの)
居宅介護サービス費(介護予防サービス費):居宅におけるもの
施設介護サービス費(なし)介護保険施設に入所する場合の介護に関わるもの
居宅介護サービス計画費(介護予防サービス計画費):ケアプラン作成に関わるもの
地域密着型サービス費(地域密着型介護予防サービス費):地域密着型サービスの利用に関わるもの)
特定福祉用具購入費(特定介護予防福祉用具購入費):福祉用具購入に関するもの
住宅改修費(介護予防住宅改修費):住宅改修に関わるもの
高額介護サービス費(高額介護予防サービス費):世帯による高額介護費に関するもの
などがあります。
細かくは別途見ていくとして、ポイントは、
「要支援者は介護保険施設に入所できない」
ということです。
意外に忘れられがちなので。
さて、保険給付の方法です。
ズバリ
「償還払い」と「代理受領による現物給付」
この2つですので覚えてください。
ここでいう「現物給付」は「介護保険のサービス」のことです。
「現物」というと、目に見えるものをイメージしがちですが、
そうではないので注意。
(福祉用具購入・住宅改修など目に見えるのですが、
これらは原則償還払いになるんですね。ややこしい・・・。)
あともささっと。支給限度額は4つ。
公平性を期するために定められているものです。
1.区分支給限度基準額
これは居宅サービスにおける月ごとの給付上限額です。要支援2~要介護5の7段階あります。(介護保険施設に関しては適用なし。注意。)
2.種類支給限度基準額
マイナーな支給限度基準額です。
例えば、田舎(失礼・・・)にデイサービスが1箇所しかなく、
その地域に100名の要介護者等がいた場合、
全員が「毎日デイサービスに行きたい!」
といっても受け入れることができませんよね。
そういう場合、
被保険者証に
「通所介護種類支給限度基準額 ○○単位(まで利用可)」
といった記載をし、
全員が公平に利用できるように上限を決めちゃうんですね。
(あまり見たことはありませんが・・・。)
3.福祉用具購入費支給限度基準額
これはメジャー。
毎年10万円
(毎年:4月~3月。もちろん1割は自己負担なので給付は9万円)
まで福祉用具購入可能ということです。福祉用具に関しては後述。
4.住宅改修費支給限度基準額
これもよくご存じかと。
1住宅20万円まで住宅改修で利用できるということでしたね。
(1割負担なので、2万円は自己負担。18万が給付。
引っ越しするともう一度使え、
3段階要介護度があがると同じ住宅でももう1度使えます。)
介護保険の審査に関しては「国民健康保険団体連合会」
(国保連:こくほれん)が行います。
磁気媒体等により翌月10日までに請求書を送り、
翌々月末頃に報酬が支払われます。
(例) 4月1日~30日までのサービス提供
5月10日までに国保連へ請求書を提出
6月末日頃に報酬が支払われる
といった流れです。
最後に利用者負担について。よく出てくるのはおむつ代。
「介護保険施設とショートステイは保険給付」=利用者に負担してもらうことができない。
ということです。
通所介護などはおむつ代を利用者から受領することができますよ。
間違いないように。
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